「ファーストラヴ」迦葉(かしょう)の人物像|衝撃の生い立ちとは
2月11日公開の「ファーストラヴ」
すっごく影のある迦葉の裏側に迫ります。
※ネタバレを含んだ内容となっております。

「ファーストラヴ」で迦葉(かしょう)はどんな人物?

迦葉を演じる俳優

庵野迦葉(あんの・かしょう)を演じるのは中村倫也(なかむら・ともや)さん。
1986年生まれの34歳(ファーストラヴ公開時)です。
映画やドラマから、舞台やラジオ、ナレータまで数々の作品を残し、様々な場所で活躍中です。

迦葉の人物像

迦葉は親から愛を与えてもらえず、育児放棄の状態で親族に保護されました。
餓死しかけた体験から、子供なんておそろしくて作りたくもないし、結婚への憧れも無いそう。
8歳の時に真壁家(迦葉のお母さんの姉夫婦)の養子となってからは、兄である我聞(がもん)の優しくて寛大な心に信頼を寄せていきます。
大好きな自慢の兄によって心の安定は保たれているように見えますが、こと女性に対しては違います。
いつも、取っ替え引っ替え女性と遊んでおりチャラい印象。
が、迦葉自身は気づかぬうちに、捨てられる不安から女性と正面から向き合えないでいるのです。
つまり、徹底した軽さを装いながら、人を遠ざける緊張感を内包しているということ。
そして無意識のうちに母親の愛情を求めているのです。
そんな迦葉も、1人の女性と出会い、誰にも言えない恋に落ちました。
現在は弁護士として働いており、叶わぬ恋と過去のトラウマに向き合おうとしています。

迦葉の名前の由来

迦葉(かしょう)って珍しい名前ねと何度か言われています。
この名前は お釈迦様の弟子の一人の名前らしい。
真壁家に養子となっても、名字は庵野のままなので、名前で呼ばれる方が嬉しいそう。

大迦葉(だいかしょう、:Mahākāśyapaमहाकाश्यप マハーカーシヤパ、:Mahākassapaमहाकस्सप マハーカッサパ)は、釈迦十大弟子の一人。仏教教団における釈迦の後継(仏教第二祖)とされ、釈迦の死後、初めての結集(第1結集、経典の編纂事業)の座長を務めた。頭陀第一といわれ、衣食住にとらわれず、清貧の修行を行った。

摩訶迦葉摩訶迦葉波迦葉迦葉波とも呼ばれる。なお「迦葉」は古代インドではありふれた名であったといわれ、仏弟子中には三迦葉という三人兄弟や十力迦葉という名前も見受けられるが、摩訶迦葉とは別人である。

引用:Wikipediaより

迦葉の衝撃の生い立ちとは

 

迦葉の過去

人物像でも触れましたが、迦葉は小さい頃に母親に育児放棄をされ、結果的に捨てられた子供です。
もともとの両親は迦葉が8歳の時に離婚し、姉夫婦の家に引き取られました。
その時のトラウマから、恋愛依存症ぎみとなってしまいました。
迦葉は大人になってからもお母さんのことを「自分を殺そうとした母親」と言っています。
迦葉が に引き取られた時には、椿油の空き瓶を握りしめていたそうです。
だから迦葉にとって唯一母親との思い出は、その瓶だけで、椿には大切な意味があるんです。

迦葉の母親

迦葉という人物を語る上で母親の存在はキーとなってきます。
迦葉の母親は現在入院中。
施設にいたときから、ひどく痩せ、認知症に似た症状も出ていました。
その後、頭部に溜まった水を抜く手術をすることに。
現在は迦葉が一応のお金の負担をし、面倒は母親の姉(真壁家)が見ています。
最終的には母親と向き合うシーンは描かれていなかったので、どうなったのか。
想像ですが、口では母親のことを憎んでいるとは言っていても、「愛されたかった」という気持ちから、未だに椿の花を大切に思っており、自分自身と向き合ったことで、母親に対する感情も徐々に変わってくると思います。

由紀(ゆき)との出会い

由紀(現在臨床心理士として働く)とは大学3年生の春、学校の中庭で出会います。
他の女性とは異色の雰囲気を放っていたからと言い、迦葉が声をかけました。
それもそのはず、由紀もまた迦葉と同じように幼少期のトラウマで先に進めないでいたのです。
お互い過去の傷をかばうように、二人は仲良くなっていきます。
友達でも、恋人でもない、「兄妹」という言葉が一番しっくりくる二人でした。

由紀との別れ

性別関係なく、必要としあえる関係である由紀とは、本当の兄妹のように毎日の遊んでいました。
しかし別れは突然やってきます。
出会った年の初秋、いつものように酔った二人は終電を逃して、由紀のアパートへ行くことになります。
お互いに恋愛感情は無いものの、異性関係は豊富にあったので、流れのままに。
しかし迦葉はうまく出来ず、つい見栄を張ってしまったのですが、侮辱されたと思った由紀からひどい言葉を浴びせられてしまいます。
迦葉はその言葉を許すことが出来ずに由紀と距離を置きます。

迦葉のこれから

理解し合える由紀という存在を失った迦葉は、闇雲に女性関係を持ちますが、弁護士になった今、ある女性のことを真剣に考えるようになります。
さらに、ある事件がキッカケで、由紀と一緒に行動することになります。
本当はずっと謝って由紀と和解したかった迦葉は、事件を通して自分の気持に少し向き合えるようになります。
兄である我聞には「恋愛ではないが、由紀は特別な存在だった」と言っており、由紀にもその気持を伝えることが出来ました。
当時、うまくいかなかった理由が、「由紀の体型が迦葉の母親に似ていて怖くなった」からだった、ということにも気づき、二人のわだかまりも消えていきます。
また、現在の恋人とは、最終的に相手の未来を考えて別れましたが、真剣に1人の女性を想うことで、きっとこの先の恋愛では、相手に向き合うことが出来るでしょう。
今回の事件を通して、迦葉は初めて前に進めたような気がします。

まとめ

この小説自体がとても重たい内容で、登場人物一人ひとりが様々な過去や苦悩を抱えています。
今回は迦葉にスポットを当てましたが、それぞれの立場になって考えると、多面的な見方が出来る映画となるかと思います。
そして、私達は一方方向しか見ていない現実ばかりだ、と考えさせられます。
それぞれが自分の立場でニュースを見たり、物事を考えたりしていますが、もしかしたら裏には様々な事情が渦巻いているのかもしれませんね。